切り傷・擦り傷 などの外傷

切り傷に関しては細やかな縫合・外科的操作の正確さに加えて、治癒後のケアや経過観察が大切になることが多く、しばしばそのような大事な点が蔑ろにされることがあります。きずの専門医として、できるだけ整容面・機能面に配慮した診療を提供いたします。

熱傷(やけど)

浅い熱傷~深い熱傷、顔面をはじめとする露出部位の熱傷~手などの特殊部位の熱傷、生命に影響を及ぼす重篤な熱傷と多岐にわたる熱傷の治療を経験してきました。

地域の総合病院と連携し、適切な治療を心がけます。

 

皮膚腫瘍・皮下腫瘍(ほくろ・いぼ・できもの・しこり)

目立つホクロやいぼ、ご心配な皮膚・皮下のできものを適切に診断し、治療を行います。

*ホクロやいぼの切除術

ホクロや粉瘤・その他のいぼやしこりの切除・摘出術を毎年1000件以上執刀あるいは指導してきました。これまでの経験を活かし、正確な診断と整容面に特に配慮した外科的治療を行います。

 

*炭酸ガスレーザー等を用いた焼灼術

比較的小さな皮膚の腫瘤(ホクロやいぼ)は切除術を行わなくともレーザー機器等を用いた治療も可能です。

◆保険適応とならない場合の治療価格(税込み):

 

アクロコルドンやミリウムの切除
初診 3300円
再診 1100円
4mm以下の場合 1個 1100円
4mm以上の場合 1個 2200円
1cm以上の場合 応相談
盛り上がったしみのような腫瘤の切除
合計の長さ(大きさが):~5mm 5500円
合計の長さ(大きさが):5mm~1cm 11000円
合計の長さ(大きさが):1cm~1.5cm 16500円
合計の長さ(大きさが):1.5cm~2cm 22000円
合計の長さ(大きさが):2cm以上 応相談

 

眼瞼下垂症・眼瞼/睫毛内反症(さかさまつ毛)

*眼瞼下垂症とは?

何らかの原因で上まぶたが垂れ下がった状態を眼瞼下垂といいます。眼瞼下垂になる原因は様々ですが、このうち、上まぶたを開けるための筋肉(眼瞼挙筋)に連なる腱(挙筋腱膜)がまぶたの縁から外れてしまったり、のびてしまったりすると、上まぶたが垂れ下がった状態になります。これを腱膜性眼瞼下垂といい、多くの方が知らず知らずのうちにまぶたを開けにくくなっています。

*病態

上まぶたに対し、繰り返し何らかの刺激が加わると、挙筋腱膜が瞼板からはずれてしまいます。すると徐々に上まぶたが垂れ下がり、様々な症状が出現します。

まぶたの断面図

*症状

挙筋腱膜が瞼板から外れていても、代わりに前頭筋やミュラー筋を収縮させることにより、一見すると普通にまぶたを開けることができる状態(代償期)では、下記のような症状が現れます。腱膜性眼瞼下垂が進行(非代償期)すると、前頭筋やミュラー筋を収縮させても明らかにまぶたが垂れ下がった状態になり、視野が狭くなります。

(注:複数名の眼瞼下垂の瞼の写真を合成したものになります)

*原因 

以下のような刺激が繰り返されることで、腱膜性眼瞼下垂になると考えられます。

  • コンタクトレンズの付け外しでまぶたを引っ張る
  • アイメイクを落とすため、まぶたを擦る
  • アトピー性皮膚炎や花粉症などのため、まぶたがかゆい為に擦る。
  • パソコンやスマートフォンを長時間使う、夜遅くまで勉強や作業をする、など目が疲れてまぶたを擦ってしまう。
  • スポーツなどでよく汗をかくためにまぶたをこする。
  • etc.

*診断

正常では瞳孔(黒目の中央部)はすべて見えていますが、非代償期の腱膜性眼瞼下垂症では常に同行が上まぶたに覆われており、診断は容易です。代償期の腱膜性眼瞼下垂では一見すると瞳孔は正常に見えますが、これは上まぶたを開けるためにおでこの力を懸命に使っているためです。このため、眉毛の少し上を押さえておでこの力が使えないようにすると、瞳孔は上まぶたに覆われてしまいます。その他に、まぶたに軽いおもりを負荷すると、腱膜性眼瞼下垂症の方は上まぶたをほとんど開けられなくなります。

*治療

現在のところ、手術が第一選択となります。

いくつかの術式がありますが、主には、外れてしまった挙筋腱膜を瞼板に固定しなおす術式(挙筋前転法)が行われています。

腱膜性眼瞼下垂症を診断を受けても、余剰皮膚(加齢により皮膚が余っている)が目立つ患者様に対しては先行して余剰皮膚切除術を行う場合もあります。

当院では過去500件以上の眼瞼下垂症執刀・指導経験を活かし、近医眼科Dr.と連携しながら、最適な診療を提供いたします。

術前イメージ

術後約半年のイメージ

(上記2写真は 個人情報保護のために、複数名の眼瞼の写真を編集ソフトを使用して合成したものとなり、同一人物の術前後の比較写真ではありません。)

あざ

あざといっても、生まれつきのあざ、外傷(けが)でついてしまった色素沈着など原因もさまざま、青あざ・茶あざ、赤あざなど種類もさまざまです。

当院で使用するピコ秒レーザーはFotona社製 『PQX』((株)JMEC)であり、厚生労働省の薬事承認を得た新型レーザー機器です。

保険適応疾患として、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症があります。また保険適応外となりますが、老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症などの皮膚の良性色素性病変、刺青(いれずみ)除去に効果があります。詳細は美容外科・美容皮膚科ページをご覧ください

わきが 腋窩多汗症

わきが:アポクリン汗腺という汗腺から出る汗とタンパク質などが混ざり、常在菌に分解されることにより独特の臭いとなります。遺伝性も指摘されています。

多汗症:汗の量が多い状態を指します。時にわきがと合併することがあります。

*わきがの治療

◆制汗剤などを用いた保存的治療

一般的な制汗剤に加えて薬剤を用いることもあります。

◆腋臭症手術(皮弁法) 保険適応手術

腋窩に1~2本の皮膚切開を行いアポクリン汗腺を除去します。一般的に8割程度の減臭効果があるといわれています。日帰り手術可能。主な副作用として皮下血腫が挙げられ、術後の安静がとても重要です。

◆ミラドライ(保険適応外) 切らない治療

マイクロ波のを患部にあてて、アポクリン汗腺を破壊する治療です。わきがや腋窩多汗症の治療として切開瘢痕(きずあと)が残らず、日帰りで治療可能なことから大変注目されている治療法です

施術時間 60分程度
効果 半永久的

ミラドライ詳細ページはこちら

料金(税込)
初回 330000円
2回目以降 220000円

◆わきボトックス

腋窩にボトックスを注射してわきの汗を減量します。

施術時間 10分程度
効果 4~6ヶ月程度
副作用 注射時の痛み・効果が持続しない
料金 55000円(両側)

 

きずあと(瘢痕)・ケロイド・瘢痕拘縮(きずのひきつれ、醜状)

手術や外傷による瘢痕が肥厚した場合やケロイド化した場合には治療が必要になることがあります。

*主な治療法

◆圧迫療法

テーピングやシリコンジェルシートなどを用いて徐々に平坦になるように促します。

◆ステロイド外用・注射

ステロイド剤の貼付や軟膏塗布・注射により炎症を改善し平坦化、改善を目指します。

◆外科的治療(+放射線治療による再発予防)

ケロイドや瘢痕を切除し根治を目指します。

また、きずあとのひきつれに対しても各種治療をご提案いたします。

巻き爪・陥入爪

『巻き爪』は爪が湾曲した状態を指します。陥入爪は爪の一部が食い込み炎症を起こし、痛みを生じている状態を指します。炎症を起こしている状態を爪周囲炎といいます。

*治療前

陥入爪


巻き爪

*治療後

手術治療後 爪の生え変わる前


手術後6カ月

注:治療効果のイメージであり同一症例の前後比較とは異なります。

*当院での治療方法

◆根治手術

爪の幅を細くして陥入しないようにする手術や、巻きを矯正しなおす爪床爪母形成術があります。

◆ワイヤーや各種矯正器具による治療

◆インソールなどを用いた再発の予防指導

ご希望・病状に合った治療法を提案いたします。

にきび・にきびの瘢痕(きずあと)

若年者の8割以上に発生するにきび。女性に限れば20~40歳でも約3人に1人がにきびで困っているという報告もあります。

毛穴に皮脂やよごれが溜まり、にきびの原因となります。

また、にきびがアクネ菌という常在菌により炎症が悪化し、腫れが悪化することがあります。

当院ではまず、にきびに対する保険診療による投薬治療を基本とし、できるだけにきびの瘢痕を目立たないように治癒を目指します。

にきび瘢痕(きずあと)に対してもレーザー治療等の各種治療が報告されておりますが、症状・状態に合わせて保険診療は自費診療を提案いたします。また、ご希望があれば専門施設への紹介も行っております。

慢性創傷・褥瘡

慢性創傷(なおりにくい創)や褥瘡(とこずれ)も形成外科の専門とする分野であります。

特に高齢化が進む中、このような創の治療でお困りの方が多く、増えてきているのも事実です。

このような創の治療は、総合病院で行わなければならない、というのが一般的な考え方かもしれませんが、当院としましても、地域医療の一翼を担う一環として、なおりにくい創の専門的治療も行っております。詳しくは遠慮なくお電話や診察時にご相談くださいませ。